㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

借金が悪だ。酪農は儲からない。経営者を志したとき、経営者になった瞬間は、「もっと稼いでやる」とか「きちんとした経営を!」という気持ちだったのにも関わらず、気付けば「借金のこと」しか考えれない経営になってしまった・・・という経営者の方も多いです。
今一度、経営の基本に立ち返り、経営者として何をすべきなのか?をしっかりと考えるべきです。

経営は、借金を返すためにやるものではない!ということです。
今年、いくらの返済があって、そのためにはどれだけのキャッシュが必要なのか?を考えることは大事なことですが、これ以上、負債を増やさないために・・・などと考えて経営していくのは間違っている、ということです。

借金には良い借金と悪い借金があります。パチンコに行くために借金をする。良い車に乗りたいから借金をする。贅沢な暮らしをしたいから借金をする。たかが20代、30代で外車じゃない車は乗らない・・・なんて方もいます。そうした私利私欲の借金は、悪い借金の代表でしょう。
対して、良い借金とは、経営の将来のためにするものです。酪農経営であれば、良い牛を作る、良い粗飼料を作る、そうした会社の未来のために、借入をする、これが正しい借金です。
もちろん、正しい借金だからといって、その事業自体が上手くいくのか失敗するのかは、別問題ですが。

キャッシュに余裕が無くなると、この当初、自分で考えていた将来ビジョンがどっかに行ってしまいます。それを忘れないで欲しいということ。さらには、この将来ビジョンを確立しておかないと、キャッシュに余裕がない、というような経営のピンチに耐えることができない、ということがあります。
経営者であっても人で、ましてや、キャッシュに余裕がない状態の精神状態は、半端ないほど威力があって、それに耐えることができる人間というのは非常に少ない、ということ。できれば、経験したくありません。キャッシュに余裕がない、というのはそれだけ精神的な負担が大きいのです。経験したことがある人は分かりますが、本当に笑えないのです。笑おうと思っても、笑えない。顔が引き攣る。自分は正常のつもりが、顔が青ざめている・・・ということがあります。
もしかしたら・・・会社が潰れるかもしれない恐怖、会社を潰してしまうかもしれない恐怖、人間の心なんて、すぐ破壊されます。
ただ、残念なことに、経営していく上で、その状態、キャッシュが足りない状態が会社なら誰でもどこでも起こりうるということ、月商の2ヶ月あれば・・という話しをしますが、ちょっと歯車が狂って仕舞えば自分だってすぐに壊れてしまう、そういう不安定な状態に常にあるということ。

こうした不安を乗り切るには、借金を返すための頑張る!などという次元の低い目標ではなく、自分が抱く将来ビジョンに向かって本気で取り組むしかありません。
今、辛い方いると思います。
ぜひ、借金のためではなく、自分のために頑張ってください。