(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

チリ発の代用食品のベンチャー企業「The Not Company(ノットコ)」をYouTubeで紹介したところ、色んな意見をもらったので、それについて解説します。

先日、ブログでも紹介したNot Co(ノットコ)の代用ミルク。植物性由来の素材からできているが、従来のオーツミルクやアーモンドミルクと比べて、格段に味が良いという評判らしい。あまりに美味しいのでとうとうアメリカにも進出してしまった・・という紹介をしました。

意見の中には「こんなの牛乳じゃない!」とか、「世界的な脱炭素社会の流れの中で酪農家に対する脅威だ」とか、「こんなのが売れてしまったら・・・」とか、「ホクレンどうするんだろ?」とか、まあまあ書き込みやら直接聞いたのやら含めて、さまざまな意見がでてきました。

結論からいうと、僕は酪農業界に対してそこまで大きなインパクトはないと思います。ただし、酪農経営者レベルでは大きなインパクトはあると思います。というような状態になっていきます。

まず、世界の潮流はもちろんカーボンニュートラル社会に流れるでしょうね。そうなれば、こういった脱炭素に効果がある?とされている商品に、人気が集中してくるでしょう。そうはいっても、世界中のヒトの趣味嗜好を変えるまでには至らないと思います。もちろん、加工食品、チーズ、バター、ヨーグルトは作れないわけで、牛乳じゃないとできない料理もいっぱいあるわけですから、ここで大きく食生活が変わるにはまだまだ時間がかかると思っています。

問題なのは・・・テクノロジーの進化です。ノットコのA Iソフト、「Guiseppe(ジュゼッペ)」など、これら食品分野でもゲノム解析から味を創造する領域に進んでいます。これらテクノロジーの進化が既存の産業に与える影響は、「コスト削減になっていく」ということです。
今まで同じやり方でやっているはずなのに、なぜか収入が下がっていくという現象が間違いなく起きてきます。それが目に見えるかどうかは別にして。

牛乳はどこまでいっても牛乳以上の存在にはなりません。ノットコのように、代用牛乳で上手くいかないから、違う商品(コンテンツ)で勝負しよう!とならない業種ですから、ますますどうやったらもっと乳量が増やせるのか?人的コスト(作業負担)を抑えることができるのか?という意識は特に必要かと思っています。