㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

潰れていく企業の特徴として、経営者の質に関して(1)で説明した。
では、企業(事業)として、重要な「取引先」の信用を見極めなくてはならない。モノを仕入れる、モノを販売する、上で、必ず取引先が存在する。
さらに、資金受け入れのための銀行(金融機関)など、関わる企業は多くある。その企業が、経営が大丈夫かどうか判断しなくてはならない。

なぜ、取引先を調査しなくてはならないのか?
それは、多くが「安いか高いか」でだけで判断しているからである。良い悪いではなく、安いか高いか。どこどこは安く提供してくれるとか、どこどこの会社は安いとか、そういった会社は、非常に危険である。リスクが大きいと理解しておかなくてはならない。
他にも、汚い、整理整頓がされていない、挨拶がない、など、見極めるポイントは様々ある。

ところが、酪農経営において、これら一般企業に当てはまることが「逆転」する。
逆転とは、「取引先から選ばれる会社」でなくてはならない・・・ということである。つまりは、取引先からどう見られるか?かが、重要である。
取引先は「細かい」ところまでしっかり見ています。
そういう細かいところで、あなたの経営のレベルを判断しています。

極端な例ですが、昔、牛舎の屋根に穴が空いているのに、放置している牧場がありました。本人は、直すのが大変だから・・・という気持ちかもしれませんが、これを見た側は、「直せないほど経営が逼迫しているのか、あるいは屋根が壊れているのに気づかないほど心の余裕がないのか」としか、判断しません。どちらにしても、好ましくないのは明白です。

勘違いしている経営者の方も多いが、自分が選択しているようで、実は自分が値踏みされていることに気づいた方が良い。なぜなら、経営の規模において相手に対して、酪農経営者の多くが、圧倒的弱者であるからである。売上規模、資金力、社会的信用、それら全てをひっくるめて、全てが負けている。
となれば、いかに取引先に選んでもらえるか・・・それが、酪農経営のキモの1つであろう。

よく、農協を批判する酪農経営者が多いが、まずは、農協の施設よりも綺麗で整理された自分の仕事環境を作ってみてはいかがだろうか。そうすれば、取引相手である農協さんの対応も徐々に変わってくるはずである。