㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者として、自分の会社の将来を考え行動する。これは、間違いない。
世間では、みんなと相談してとか、社員と一丸になって、というのが定説になっている。
でも、本当に自分の経営を考えるのは、経営者である自分だという話し。
つまり、自分の会社のすべてのケツを拭けるのは、経営者しかいないという話し。

「今のままでいいんだろうか?」
「この先、自分が今やっているこの仕事(作業)はあるのか?」
という不安を抱えながら仕事をしている。
これは、
いつまで50頭搾乳で酪農家としてやっていけるのか?
もうロボットに変えていかなくてはならないのか?
大型投資して本当にうまくいくのだろうか?
投資が返せるのだろうか?
という不安である。

これは僕自身にもある。
酪農コンサルとして、10年、20年、60歳の言うことを30代が聞くのだろうか?コンサルとしての寿命はどこにあるのか?ということは、考えるだけ考え尽くしてきた。そして、結論を出した。今、それ、つまり育成センター設立に向かって進んでいる。

自分が会社、事業を大きくすることは、当然、会社のためである。会社が生き残るためである。会社が生き残るということは、それが結果、従業員や家族を含めたみんなのためでもある・・・が。
周りはそうは思わない。
どう思うか?
「あなた(経営者)がやりたいだけでしょ?」である。
そして、それに関して、会社を大きくすることに関して、自分たち(家族、従業員)は振り回されたくない・・と思っている。
なぜ?新しいことにチャレンジしなくてはならないのか?
新しいことにチャレンジさせるくらいなら、給料上げろ・・・これが現実である。

経営者が命をかけて、会社の発展に尽力している一方で、従業員は「将来の保証」とか「自分の給料が上がるのか?」という要求を突きつけてくる。
これは、経営者サイドから見れば、とんでもない・・ことだが、従業員サイドから見れば、当然のこと・・かもしれない。

つまり、どこまでいっても、経営者は「孤独」でしかない・・ということである。

自分の命(人生)をかけて、経営を一緒にやってくれる人材(家族、従業員)は、少なくとも、あなたのそばにはいない。この事実を、どこまで受け入れるか。
さらには、教育によって、変えることができるのか?を考えなくてはいけない。
酪農の従業員に対して、経営者すら発想できないことを「できない」と批判するのは、またこれもおかしい。

酪農とは、牛から利益をもらう仕事である。牛が快適であれば、乳量増となるからである。
その牛の生活と、自分の生活とどちらを優先するか?
・牛の食べるものより、自分が美味しいものを食べたい、外食したり、出かけたい
・牛の敷料よりも、自分が良い車に乗りたい
・牛の快適な環境よりも、自分に良い時計が欲しい、バイクが欲しい、スノーモービルが欲しい
こういった行動をしていて、「牛が利益をもたらす」と従業員に教育しても、説得力はない。
まずは、己が実践し、それから教育しなくてはならない。
従業員から始めるのはおかしい。
まずは、自分から始めなくてはならない。当然である。
それも、3日、3ヶ月?ではなく、ずっと・・である。
それから、「牛から利益をもらっている」の教育を始めるのである。

経営者が変われないのに、従業員を変えることはできない・・これも一緒である。