㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

会社が潰れる時には必ず前兆や兆候がある。連鎖倒産を除けば、昨日まで順調にやっていた会社がいきなり次の日に潰れてしまうようなことは、まずあり得ない。社員や部下も同じで、普段の小さなミスや失敗を見逃してしまうから、やがて致命的な失敗が起こるのである。

「人を動かす人になれ」永守重信

会社の経営が傾くと、その原因を探したがる。
多くは、不景気だから・・とか、何々のコストが上がったから・・などという回答をするが、事実は、不景気になる前から経営はやばかったのである。
それをなんとかかんとか誤魔化していたに過ぎない。
そして、もっとまずい思考は、その前兆でもある「自分の経営が悪い」ということにすら気づいていない、その思考にある。これに気づけていない。

もしも、「自分の経営がまずい」と気づいているのであれば、経営者として何かしらの対策を行なっているはずである。
しかし、多くは、「こんなモノでしょ」「みんな一緒だよね?」など、危機感の欠片もないのだろう。
この発想そのものがまずいことに気づいてすらいない。

我々が目指すべき経営者は、常に「危機感」を抱いているはずである。
この答えは、簡単で、常に利益を出し、キャッシュフローを増やしていく経営が難しいからである。特に、キャッシュフローを増やしていのが難しいのを理解しているのであれば、そこの油断はないはずである。油断する暇すらないはずである。

これが、会社が潰れる前兆である。

会社は突然潰れるのではない。今まで積み上げてきたもの、その積み上げてきたモノがない。つまり、潰れる前から潰れる経営をしているのである。ある日、突然、経営が悪くなるのではない。もっと前から少しずつ悪くなっているのである。そこにトドメを刺すモノが何か・・という話しである。
こういった内容は、このブログをご覧の皆さん誰もが理解しているはずである。
こんなことは、わかりきっている。
でも、なぜか、多くがそっちの方向に行ってしまうのかなぜか?
何もしなければ自然とそっちに行ってしまうからである。
それくらい、経営とは綱渡りで安全とは程遠い存在だという自覚が必要である。

そして、潰れる前から悪くなっている原因は「ちょっとしたミス」「まあいいか」こうした損害が積もり積もっていった結果であるということ。ミスや失敗にも予兆がある。交通事故でも言われる。小さい事故を繰り返している人間ほど、大きい事故をやらかす・・と。これはデータからわかる真実である。
同じように経営の中でもそうした小さいミスを繰り返していけば、取り返しのつかない大きなミス、損害をやらかす恐れがある。それを止めるのは、当然、経営者の仕事である。