㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

「私どもの技術は、他社より常に1歩も2歩もリードしています」と自身たっぷりの経営者がいます。確かに理想かもしれません。酪農経営でも、多くの人が他者よりも優れた技術を求めます。技術があれば、経営は良くなる!という傾向が強いわけです。
しかし、技術は今現時点で優れていたとしても、これだけ技術進歩が激しい時代変化の中では、すぐに遅れをとります。最新牛舎を作ったとしても、後発の牛舎、技術にはどうしても遅れをとります。

強い会社とは、技術だけでなく、総合力で優れていなければなりません。
総合力と何か?
もちろん、技術力も優れているし、従業員も優れているし、皆勤勉に働き、経営者が社員から尊敬される人物であり、酪農経営であれば、牛も優れている、粗飼料も優れている。他の産業であれば、営業も優れている、販売力がある、などです。
1つの技術で、単独の分野だけでの収益を当てにしていると、いずれその技術は捨てれてしまいます。そうなると、経営が立ち行かなくなります。

酪農経営でも「ウチは〜〜が自慢だ」という経営者が多いですが、それだけで経営を安定させることはできないということです。1つのモノをやるだけでなく、経営に必要なモノを、総合的にレベルアップさせる必要があります。
昔から言う、ヒト、モノ、カネ、全てをやらなくては、どれか1つだけでは、経営は上手くいかないという事です。

僕はよく経営においては、1つ改善できた・・として、その効果によって経営が1%改善できたと仮定しています。この1%の改善(利益)を、10個集めて、10%にして、初めて目にみえる成果になったと気づくことができます。
1%の状態では、増えたのかどうか非常に分かりづらいです。
自信も無くなってしまうかもしれません。
しかし、本来、経営の改善、利益の改善とはそうしたわずか1%の改善を、何個も何個もやることでしか増やすことはできません。
何か1つを良くしたら、経営が良くなるなんてことはあり得ないわけです。

そうした利益の泉を多く作ることで、強い会社になることができるのです。