㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

自分が衣服の小売の店を経営しているとして、日本全国にチェーン展開していると仮定する。その際に、トップダウンで指示をする際には、どのように指示をすればいいだろうか・・
簡単なやり方は、春には春服を、夏には夏服を、であろうか。
もうちょっと工夫して、春には夏服を、夏には秋服を、であろうか。
ここで、より現場目線で考えなくてはならないことは、北海道と九州とでは、同じ季節、同じ月であっても、売る商品が違うということである。さらには、もっと細くいえば、店によっても変わってくるということである。店舗によって売れる商品に差が生まれるし、気候風土の差によって微妙に変わってくる。その違いを読み取れるのか・・ということである。

これは、酪農経営においても、どんな経営においても一緒である。
環境、状況の全てがケースバイケース、過去の成功体験に引きづられ、脳死で同じことをただ繰り返していても、改善できるとは限らない。
本当にこの考え、やり方が正しいのか・・常に疑問を自分に投げかけ、1つ1つ答えを出していく。その丁寧な対応の先にこそ、経営の極意があると思う。
1つの仕事に対しても、同じようでいて、違った変化が毎回起きている。その変化に気づき、次の対応へ、次の対応へ、と変える事ができるか。
都度、良い方向へ変える事ができるのか、ということが今の仕事の質をステップアップさせてくれる。ただ、同じことを繰り返していても・・・何も変わりはしない。

経営において、これが実現できれば自分の会社の財産である。さらには、この思想、やり方を社員へ伝搬させていく。伝え広めていくには、また根気がいる。そして、経営者自身が続けなくてはいけない。経営者ができないことは、社員は絶対にできない、できるわけがない。まずは、自分から。その上で、社員に。そうやって広めて伝えていくことができれば、会社にとって大切な資産となる。
1つの仕事に対しても、突き詰めていけば、まだまだ改善できる余地はいくらでもある。隣の芝を青くみている場合ではない。自分の芝を青くする努力が必要なのである。