㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

相談にのっている中で、「利益は出ています」という方がいる。では、その儲かった利益は、どこにあるのか?
常識と思われている中で、利益がでて発生した税金(所得税、法人税)の支払い用のキャッシュが無ければ、借りればいい、という話しがある。銀行は喜んで貸してくれる・・と。
本当に儲けたのであれば、その儲けた利益はどこにいったのだろうか?
きちんと把握しているのだろうか?

売上が上がれば、それだけ仕入れ(原価)が増え、在庫も増え、儲けたはずの利益は、在庫に化けている・・という話しがある。これも一部事実かもしれないが、それだけではないはず、だと思う。
何が言いたいのか?というと、儲けたはずの利益があるなら、手元キャッシュも併せて増えていないと、それはおかしい!ということに気づいているのか?ということである。
結果、キャッシュ増えていた、結果、キャッシュが減っていた、というのが経営者の判断ならそれは間違っていると言わざるを得ない。経営者なら、事前にキャッシュが減るのか?増えるのか?をあらかじめ予測しておかないと、経営にならないのである。キャッシュが減ってきたから・・どうしよう??では、それはもう遅いのである。

だからこそ、この儲けた利益のお金はどこに消えたのか?ということを、経営者はしっかりと把握しておかなくてはならない。
そしてこのキャッシュが増えない限り、経営が右肩上がり・・ということはない、ということである。
どんな経営であれ、キャッシュが増えなければ、その経営はいつか行き詰まる。キャッシュが無くなった時に、倒産だからである。

なので、利益は出ています!という方は、では、その利益はいくらで、実際に、前回と比べてどのくらいキャッシュが増えたのか?という事をきちんと説明できなくてはならないのである。そうやって意識して、経営することで、初めてキャッシュが増えていくのである。

コロナショックのように、いつ自分の経営が脅かされるか、分からないのが世の中である。これは酪農経営だけでなく、街のガソリンスタンドや飲食店、どの商売でも一緒である。良い!良い!と思っていた商売が、気づけばボロボロになってしまう、ということも経営していれば何度も経験するはずである。
そうした時に頼れるのは、手元キャッシュ1択である。キャッシュ以外に拠り所はない。この大切なキャッシュを増やす!という意識、貯める!という意識をまずは持たなくては、経営にならない。