㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

六次化したいのがだが、商品の保健所の認可が降りない。
ソフトクリームの原料を作り、それをカフェなどに販売する事業をスタートしたい。できれば初期費用を抑え、中古で機材を揃え、スモールスタートしたい。
しかし、提案した商品では、保健所の認可が降りず、コンサルに頼むと高いし、どうしたらい良いだろうか・・・

という相談が知り合いからあった。
大変申し訳ないが、ブログのネタにさせてもらう。

酪農に限らず、農業全般で六次化をする人が流行っているが、六次化の最大の問題は、売り先の開拓である。製造の問題ではない。コストでもない。売り先を拡大できるか、つまり、本人が営業をかけて売り先を増やす、もしくは、店先に率先して立って売ることができるか、である。それに伴い、広告・宣伝をどんどんやらなくてはならない。ホットペッパーなどへの掲載には、月3~4万円かかり、サイトを増やせばその分だけ増える。折り込みチラシも入れなくてはならない。1回に1,000部で8,000円ほど、何回やるのか?月に5回やれば、それだけで4万円かかる。
この方は、地元のカフェで5件ほど使ってくれるから・・・ということを言っていたが、これでは1日どれだけ売れるか。大した数量にはならないだろう。

酪農経営も農業経営も、製造だけで販売は切り離されている。製造に集中する、販売は農協や指定団体に任せる、というやり方でやっている中では、この「販売」にどのくらいのコストがかかるのか?想像できないであろう。
決して、六次化をやるな!ということではない、が、今の経営が苦しいから、新しい事業でいこう!なんて発想であれば決して上手くいかないであろう。製造+販売となれば、これは経営の多角化になる。多角化は、非常にリスクが上がる。資金面、キャッシュフロー面だけでなく、人材、採用、経営者自らが新しい事業に集中できる環境なのか?他人に任せて上手くいくほど甘くはない、そういう認識があるかどうか。
新しい事業を作る、のはそんなに甘いことではない。