㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

先日、お伺いした牧場でも、やはり経営者と社員との間にある仕事に対する意識の差で悩んでいる方がいました。経営者がどんなに忙しそうに働いていても、社員に協力しようという素振りがない。なぜなのか・・・
経営者の方の中には、「困っているときに、誰も助けてはくれない」と思っている、し、実感されている方もいるかと思います。もちろん困っている内容が、経営者にしかできない、経理のこと、キャッシュフローのこと、経営方針、などではなく、日常の作業の話しです。

作業が忙しくなる・・という時に、社員に頭を下げて、なんとか残業してくれ!という方や、頼んでも手伝ってくれないだろうな・・という方も、いました。
僕らは、学校などの集団生活の中で、困っている人がいれば助けよう!という教育を受けてきて、実際に、身近な中で困っている人を助けるケースが多いと思います。が、もっとも身近な仕事の中で、なぜ、それができないのでしょうか?僕は非常に疑問に思います。
もちろん、過剰に働いた分の残業代は発生するとしても、これ以上はやりたくありません、や、そもそも手伝うつもりがない、という社員の方が多数派のような気がします。
なぜ、こういった事が起きるのでしょうか?

経営者が誰よりも一生懸命働いているのは、前提として、何が足りないのでしょうか?・・・(経営者が一生懸命働いても、経営者がやるのは自分の利益のために当たり前でしょ!というマインドがあるので、直接の理由にはなりません)

経営者側が考える社員目線では、「お世話になっている社長が困っているなら助けたい」と思っているように錯覚してしまいますが、肌感覚で、それはないだろう・・と感じてしまいます。社員側の経営者に対する感謝が足りないのでしょうか・・社員側に問題がある、そう決めつけてしまいそうになります。
が、僕はそうではない!と思います。
社員も1人の人間であり、同じように教育を受けて「困っている人がいたら助けたい」と思っているはずです。なぜ、それをしないのか、答えは1つ。社長が嫌われているからです。社長の事が、好きなら、そうは思わないでしょう。
好かれるために、愛想良くすれ!とか、媚をうれ!とか、そういうことではありません。そんな下心は、すぐに見抜かれてしまいます。
社員に好かれるためには、「会社のために」「仕事のために」というEQ(感情指数)を上げる必要があります。IQは知能指数であり、EQとは、やる気や感情的なもの、会社に対する忠誠心でしょうか。

このEQを上げるためには、経営者が、1つ1つの仕事を丁寧に何度も何度も教えているか。途中で、なんでこんな簡単なことができないのか?などと、思っていないか。会社の利益を増やすことが、社員の幸せのためであることを、丁寧に説明しているか。社員が頑張った成果を認め、褒めているのか(社員に興味を持っているか)。など、日常的な接点の中で、対人として誠実に接しているか?という事が、結果現れてくるのだと思います。