会社経営を赤字になっているのは、わざとであって、余計な税金を払いたくないがためのことである、という「嘘」を信じている人は、意外に多い。特に経営をしたことがない人はその傾向が強いと思う。しかし、会社を黒字にするのと、赤字にすることのどちらが難しいのか?を問うた時に、圧倒的に黒字にする方が難しい。

同じように、経営者の醍醐味は、お金を好きに使えることである、というような論調で、会社の経費をバンバン使っている経営者も多い。そういう経営者を見て、あそこの会社は儲かっている、と感じる人も多い。
実際にどうか?と言われれば、自分の欲望のままに経費を使う会社と、必要最低限に絞って、我慢を続けている会社、どちら難しいのか?と言われれば、後者であろう。我慢している方がよっぽど辛い。この差は、景気が不況になった瞬間に分かる。不況(事件、事故、不幸)が起きた時に、それ耐えるだけの備えがあるかどうか、明暗が分かれる。

会社経営は、一度でも底に近づくと、そこから這い上がるのは相当に厳しい。経営者が経験してしまった「甘え」「油断」「慢心」そういたモノを、封じ込めて、そこから這い上がるのは、それなりの苦痛が伴う。それも自分だけの力でそれを達成しなくてはならない。そこには「忍耐」が必要になる。
これを一度でも経験した経営者は、このことをよーく理解している。周りから見ればやたらとビクビクしているくらいに、用心深く、小心者に見える。そこまで怯えなくても良いのでは?というくらいに、見える。
がそうではない。その裏では、忍耐に耐えている、その「忍耐」を無駄にしないために、耐えて、我慢しているのである。

経営者である者は、それを見分けることができなければならない。
大赤字を抱えた当時のTwitter社に、大株主となったイーロンマスクが、寝袋を持参して、乗り込んだ風景を覚えている。あそこまでする必要があるのか、あんなことで変わるのか?、実際には、あの行動によって、結果、Twitter社の経営は大きく変わった。無駄を省き、徹底的なリアリスト経営に変わった結果、生まれ変わった。この事実をどう見るか、経営者は考えなくてはならない。