㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
先日、農協さんに講演依頼された時に、ある職員さんから質問がありました。
「農家の経営を助けたいけど、どこまでしたらいいのか分からない」「僕は農家に対して頑張りすぎているのでしょうか?」と。
これは、僕の前職の飼料会社時代の時に、同じ経験をしたからよーく分かるのですが、こちらは善かれと思って色々提案するのですが、それをやってくれない、やっても上手くいくはずのモノが上手くいかない、これは、僕の今の仕事でもあるあるです。
このやり方、考え方は間違っているのか?という悩みでした。
この悩みと似たケースは、経営していると多々あります。
「社員は家族なのか?」社員を家族のように扱うのが正しいのか?どうか、という問題です。
こういったケースに、僕はさまざまな経営者、従業員と接してきた中で、こう考えています。
「社員は家族ではない」ということです。大人 対 大人 であるということ。ビジネス 対 ビジネス でなければいけないということです。家族であるならば、親が我が子を心配するように、「あれを確認したか」「これを忘れてないか」(無償の愛)でしょうか。相手は、もはや大人です。イイ年したオッサンです。自立して当然、自立とは、自分の稼ぎは自分で稼げる人のことをいいます。さらに、経営者である以上、自ら「意思決定」を行い、自分で決めて、自分で決めたことだから、自分でやる、当然のことです。人から言われてやる経営が上手くいくはずありません。
さらに、この家族特有の無償の愛は、マイナスの2面性を孕んでいます。
家族労働といえば、無料。ただ。が有名で、それがいつしか、強制されていきます。家族なんだから、困っている家族を助けるのは当然だろう・・と圧力に変わる可能性を秘めています。本当の家族ならそれでもイイですが、これがビジネスだと、そうはなりません。
さらに、社員を家族という経営者は、「自分が養ってやらない生きていけない子供」として見下している・・とさえ感じてしまいます。
企業や経営は、営利組織であり、社員と会社はあくまでビジネスを通じた対等な関係であるべきだと思っています。
つまり、何が言いたいか?と言うと、「甘やかすな」「甘やかすとどんどんダメ人間になっていく」困った困ったといえば、誰かが助けてくれる、そんな人間になっていくわけです。
正直、サポートする側はあくまでサポートである。ということです。
実践するは、経営者である本人です。成功するのも、失敗するのも本人であり、その内容を採用するのか、しないのか、全ては本人であり、決めたこと全ての責任は経営者にあります。そして、その結果も全て本人です。
なので、経営者本人の意識が全てなのです。
方法ややり方は、2の次、3の次で、全ては経営者次第だと。
まずは、それをその経営者に自覚させることが始めなくてはなりません。
今までの失敗の原因が「経営者」にある・・と、そこから始めなくてはなりません。それ無くして、釣り方を教えても、それは全て彼らにとって「楽して儲かる手段」という認識しかありません。世の中に楽して儲かることなんてありません。
まず、経営者であるあなたに経営に知識がないこと、また、それを勉強しようとしてこなかったあなたに全ての原因があること、そこから始めるんです。
想像の通り、これは覚悟が必要になります。なので、お勧めはできませんw