(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表 中野です。

サピエンス全史 上下巻全てを読んだわけではないが、全体の所感として宗教色としてイメージは払拭できない。どちらかというとイデオロギーが前面に出ているという印象だ。
その根幹に流れる思想にヴィーガニズムに通じるものを強く感じました。

この作者はイスラエル人の方なのでおそらくユダヤ教なのだと思う。そのため全体的にその内容は旧約聖書や新約聖書から引用されている部分が多分に多い。もしかしたら、キリスト教なのかもしれませんが。
宗教を差別する気は到底ないが、彼らの思想にはどこかにヒトは生まれながらに罪を背負っている。だから、ヒトは罪深いというような印象が感じられます。

なので、現在の今でも家畜などの動物を虐めてはいけない!といった感情を優先した意見になってしまうような気がしています。
ヒトはこのように感情的になってしまうと理屈では動きません…
必ず納得もしてくれません…

家畜の飼料は過去も現在も基本的には副産物を利用することから始まっています。
分かりやすく言うと、ヒトが利用できないものを家畜に与えることから始まっています。
牧草ももちろん、飼料で詳しく言えば お米のヌカや小麦のヌカ(ふすま)、大豆油の搾ったカス、菜種や綿実油のカス。豚にいたっては、古代では人糞なども与えていました。
このようにヒトが利用できないものをより効率よく利用する為にという生活の知恵で家畜を飼養してきた経緯があります。

確かに自分に置き換えたら家畜たち動物は決して幸せではないかもしれません。
家畜たちに聞いても答えてくれないし笑
ただ、家畜たち動物たちを自分達に置き換えて過去の贖罪と同化して語ると彼らビーガンのような思想になることと思います。

最近、特に疑問なのが絶滅している動物が増えているし、その速度が加速している…
大問題だ!みたいな話しがありますが、どうして問題なのでしょうか?
クジラの絶滅が危惧され捕鯨を規制したところ、今度はエサで小魚資源を食べ過ぎて魚介が不足してしまったなんて国もあります。
絶滅するにはするだけの理由があるのでしょうし(環境適応性)、それは全て人類のせいなのでしょうか?
この理由を合理的に説明されて理解できたとき、そのときはヴィーガンの方の思想が理解できるのでしょうか…