㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
捨てる勇気。集中するための自信。
「これだ」という大切なもの、そこに経営資源を集中する。経営者として、商売で成功しようと思うのなら、これは非常に重要なことです。
最高の商売というのは、1つの完成された商品だけで大量に売れるような商売をすることです。
「経営者になるためのノート」柳井正
「投資」をして、売上、利益を増やしていく中で、あれやこれも・・なんて、できません。限られた経営資源、投資マネーと人材の中で、やれることはごくわずかです。その限られた資源をどこに投資するのか?というのは、非常に重要です。
これは、頭では分かっていても、なかなかできることではありません。
ついつい、それが失敗したらどうしよう・・?などと、余計なことを考え、分散しようと考えてしまいます。
たとえば、今の酪農経営でいえば、「和牛ET」や「六次化」といった流れでしょうか。先日も質問が来ていましたが、「なぜ、和牛ETはダメなのでしょうか?」という問いがありました。
以前から、和牛事業をやられている方なら問題ありません。
ところが、酪農が儲からないから・・という理由で始めるのなら、それは間違っているという答えになります。あなたの本業は何か?酪農であるならば、どうやってもっと乳量を増やせるのか?を追求しなくてはなりません。頭数なのか、育種改良なのか、粗飼料改善なのか、カウコンフォートなのか、やるべきことはいくらでもあります。ここで限られた資源を、分散している場合ではありません。
成果の見えづらい「投資」に対して、ヒトは不安になります。
100%が101%になったとして、目に見えづらいわけです。それは、自分の努力の成果なのか、たまたまの偶然なのか、分かりづらいのです。
一方で、別の業種の成果は新しいのでゼロからですから、成果が分かりやすいのです。そして、そのキラキラに惑わされます。
現実は、今の本業のこの1%の方がよっぽど重要なのです。
偶然で経営が良くなる・・なんてことはあり得ません。もしも、この1%が不安であるのならば、この1%を2%、3%に増やす努力をさらに続けるのみです。そして、この1%が10個集まって、初めて10%増という結果になるのです。
もう一度、言います。
偶然で経営が良くなる・・ということはあり得ません。
経営を良くするためには、経営者が変わらなくてはなりません。自分では気づかなくても、暗い中で無我夢中の中でも、この1%の成果を求めて努力を惜しんではなりません。