㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

危機感を振りかざす時には、必ずと夢と一緒に語らないといけない。危機感だけでは必ず最後は悲壮感になってしまうからです。ドヨーンとした重い空気を、リーダーである経営者が出してはいけないのです。
「このままの状態が続けば・・」という不安が襲ってくるのは分かります。その時、その不安と一緒に合わせて、夢を語る必要があります。「夢」と「危機感」は表裏一体ですから、危機感を語るときは、夢とセットでなければいけないのです。

最近の酪農情勢の不安から、顔色がすぐれない方が本当に増えています。数字で把握していれば余計に未来の不安が襲ってくるのでしょう。今のままではまずい、とすぐ感じて、その解決策を思いつかず、不安だけが襲ってくる。
なんとか、やっとのところで精神を保っている・・・ような状態。家族にも社員にもそんなマイナスの顔をできない。ただ不安にさせるだけ、そんな精神状態では、笑う?なんてことはできない。まして、大型投資をしてその回収フェーズに入っているならなおのこと、そう思ってしまうのかもしれません。

「確かに、今我が社の経営は苦しい。しかし、我が社が今やっているビジネスは、これから生き残るための最適な方法であり、これから良い方向に変わっていくんだ!」というような、マイナスからプラスに変えていく、話しをしなくてはなりません。そう思わなくてはなりません。
実際には、ただただ不安だけを吐露して、不安だけを垂れ流し、不安な顔を周りに見せているケースが多いと思うのです。そうではなくて、最初に危機感をパッと出したら、その後は「でも、先は明るい。やっと明るい未来が見えてきたぞ!」という話しをして終わらなくてはいけないということです。

そのためには、「必ずこうするんだ!」という夢が必要です。
漠然とただ経営していては、この危機感の中で将来の夢を語ることはできないのです。経営者が不安を表情に出し、社員や家族を不安にし、危機感をまき散らすようではいけないのです。